愛知県の事業承継の取り組み紹介します(都道府県シリーズ)

こんにちは。
魂の事業承継ナビゲーター鋒山崇です。
今回から、連続シリーズで
都道府県それぞれの事業承継の取り組みを紹介します。
それでは、愛知県の取り組みです。
愛知県の取り組み
愛知県はどんなところ?
愛知県は、日本の中部地方・東海地方に属する県で
県庁所在地は名古屋市です。
内閣府経済社会総合研究所が2017年5月に発表した
「県内総生産」は東京都、大阪府に続いて
第3位の35兆9,900億円でした。
2018年4月時点の推定人口は
752万人です。
愛知県という名称は、『万葉集』の歌、
(桜田へ鶴鳴き渡る年魚市潟(あゆちがた)潮干にけらし鶴鳴き渡る)
の「年魚市(あゆち)」に由来し、
それが律令制下で愛知郡という郡名に採用されたといわれています。
愛知県は、名古屋市を中心にして、
自動車等の輸送機械の工業が有名ですが、
2017年の工業統計調査産業別統計表によると、
2016年の製造品出荷額等は44兆9,090億円で、
第2位の神奈川県(16兆2,882億円)に大差をつけて、
ダントツの40年連続日本一のものづくり県です。
事業承継の現状は?
公益財団法人あいち産業振興機構の
「愛知県内中小企業の事業承継に関する実態調査報告書」
という、2017年9月に発表した調査結果から紹介します。
1
件数 | (%) | |
---|---|---|
誰かに経営を引き継ぎたい(事業譲渡や売却も含む) | 386 | 51.6 |
経営の引継ぎについては未定 | 115 | 15.4 |
誰かに引き継ぐことは考えていない(自分の代で廃業するつもり) | 43 | 5.8 |
後継者次第である | 203 | 27.2 |
件数 | (%) | |
---|---|---|
親族内承継 | 454 | 64.6 |
役員・従業員への承継 | 148 | 21.1 |
事業譲渡 | 38 | 5.4 |
外部からの経営者招聘 | 14 | 2.0 |
売却(M&A ) | 29 | 4.1 |
その他 | 20 | 2.8 |
件数 | (%) | |
---|---|---|
後継者の選定 | 167 | 26.6 |
後継者の育成 | 353 | 56.3 |
自社株式の評価 | 120 | 19.1 |
税金(相続税・贈与税) | 138 | 22.0 |
事業承継に必要な資金調達 | 78 | 12.4 |
事業の譲渡(M&A) | 75 | 12.0 |
その他 | 6 | 1.0 |
件数 | (%) | |
---|---|---|
十分準備できている | 65 | 9.0 |
ある程度はできている | 349 | 48.5 |
必要性は感じているがしていない | 238 | 33.0 |
準備の必要性を感じないので全くしていない | 56 | 7.8 |
その他 | 12 | 1.7 |
調査結果から見ると、
半数程度の経営者は親族に引き継ぐ準備が進んでいるようですね。
一方で、半分を超える経営者が
後継者育成に関心が高いのも気になります。
後継者育成プログラムについては
金融機関の取り組みを以前ご紹介しました。
愛知県事業承継ネットワーク
愛知県での取り組みは、
地域の中小企業・小規模事業者の円滑な事業承継を支援するため、
商工会・商工会議所、金融機関、士業団体、そして
愛知県事業引継ぎ支援センター等の地域の関係機関とともに
「愛知県事業承継ネットワーク」(事務局:公益財団法人あいち産業振興機構)
を構築・運営し、承継の準備段階から切れ目ない支援を行っています。
具体的な取り組み
2017年度の取り組みとして、
独自に「事業承継診断マニュアル」の作成をし、「事業承継診断説明会」を経て、
事業承継診断を実施した、と2018年3月の中小企業庁の報告にありました。
「愛知県事業承継ネットワーク」の取り組みが
日経新聞にも取り上げられていました。
2017年度は製造業など5社の支援だった実績を、
2018年度は80件の支援を目標にするとのことです。
また、もうひとつ日経新聞に掲載されていたのは、
金融機関及び愛知県信用保証協会との取り組みです。
2018年4月から、
事業承継時の金融支援の更なる充実を図るために、
事業承継に取り組む中小企業向け制度融資の金利を
最大で年0.4%引き下げるそうです。
まとめ
これが愛知県の事業承継への取り組みでした。
ご自身の地域の取り組みと比較したり等、ご参考にされてください。