大阪府の事業承継の取り組み紹介します(都道府県シリーズ)

こんにちは。
魂の事業承継ナビゲーター鋒山崇です。
今回は、連続シリーズで
都道府県それぞれの事業承継の取り組みを紹介します。
それでは、大阪府の取り組みです。
大阪府の取り組み
大阪府はどんなところ?
大阪府は、近畿地方にある都道府県の一つで
府庁所在地は大阪市です。
内閣府経済社会総合研究所が2017年5月に発表した
「県内総生産」は東京都の94兆9,000億円に続いて
第2位の37兆9,300億円でした。
2018年4月時点の推定人口は
881万人です。
中世に「小坂(おさか、おざか)」、
「大坂(おさか、おざか)」の名称が登場し、
明治に至って「大阪(おおさか)」と改められた、
という由来があります。
大阪府は、古くから、海外との窓口として、
江戸時代には”天下の台所”とも呼ばれ、
また、日本経済の中心としての役割を果たしてきました。
大阪産業の特徴のひとつは、
「中小企業の街」であるということです。
府政情報室によれば、
大阪府の工業生産に占める中小企業の割合は65%に達し、
これらのなかには独自の技術で
世界のシェアの大半を誇るものもたくさんあるそうです。
事業承継の現状は?
帝国データバンク大阪支社の
「事業承継に関する大阪府企業の意識調査」
という、2018年3月に発表した調査結果から紹介します。
件数 | (%) | |
---|---|---|
優先の経営上の問題と認識している | 132 | 13.1 |
経営上の問題のひとつと認識している | 586 | 58.3 |
経営上の問題として認識していない | 176 | 17.5 |
分からない | 112 | 11.1 |
件数 | (%) | |
---|---|---|
計画があり、進めている | 239 | 23.8 |
計画はあるが、まだ進めていない | 193 | 19.2 |
計画はない | 281 | 27.9 |
すでに事業承継を終えている | 162 | 16.1 |
分からない | 131 | 13.0 |
件数 | (%) | |
---|---|---|
現代表(社長)と後継候補者との意識の共有 | 646 | 64.2 |
早めに後継者を決定 | 473 | 47.0 |
早期・計画的な事業承継の準備 | 449 | 44.6 |
外部機関のサポート | 132 | 13.1 |
法務面や税務面など信頼できる専門家を見つけて相談 | 207 | 20.6 |
承継後の経営は後継者に任せる | 306 | 30.4 |
経営状況・課題を正しく認識 | 462 | 45.9 |
取引先や同業者など社外での業務経験 | 169 | 16.8 |
社内での業務経験 | 307 | 30.5 |
教育機関などでの勉強 | 70 | 7.0 |
今後の経営ビジョンを持つこと | 346 | 34.4 |
先代と現代表(社長)で密接なコミュニケーションを図る | 238 | 23.7 |
事業承継の目的の明確化 | 218 | 21.7 |
事業の将来性、魅力の維持 | 309 | 30.7 |
他の役員・従業員・株主の協力 | 327 | 32.5 |
取引先や金融機関の理解・協力 | 250 | 24.9 |
その他 | 15 | 1.5 |
特にない | 30 | 3.0 |
調査結果から見ると、
経営課題と思いつつも、まだ計画立てていない
企業が多いようです。
一方で、円滑に事業承継を進めるためには、
後継者が重要だと捉えているようです。
大阪府事業引継ぎ支援センター
事業引継ぎ支援センターは、
事業の後継者不在が深刻化する中で、
経済産業省の委託事業として2011年から
東京都、大阪府、愛知県を手始めに発足して、
現在は全国に設置されています。
「大阪府事業引継ぎ支援センター・事業引継ぎ相談窓口」は
大阪商工会議所が運営しています。
大阪府事業承継ネットワーク
大阪府事業引継ぎ支援センターの他に
松井一郎府知事は2018年5月21日に
「大阪府事業承継ネットワーク」(事務局:公益財団法人大阪産業振興機構)
を発足しました。
府内の各自治体や各商工会・商工会議所、
金融機関など約100団体が参加予定で、
構成する各団体の強みやノウハウを生かして
スムーズな事業承継につなげることが狙いだそうです。
具体的な取り組み
「大阪府事業承継ネットワーク」の発足が
2018年5月21日の日経新聞に取り上げられていました。
5月29日から大阪商工会議所が
事業承継相談デスクを開設して、
2018年度は5,000件以上の診断を目標にするとのことです。
また、もうひとつ
2018年7月6日の日経新聞に掲載されていたのは、
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の取り組みです。
大阪市中央区の御堂筋に面する「大阪ビル」が完成し、
2018年8月以降、銀行・信託銀行・証券の3機能が集合するそうです。
8月中に三菱UFJ銀行が移転し、
9月中に三菱UFJ信託銀行と
三菱UFJモルガン・スタンレー証券が移転する計画です。
3社は一体となって、
融資から、年金、相続の信託、M&A(合併・買収)の相談まで、
オーナー経営者が抱える事業承継の課題など、
多様な需要に迅速に応えるのが狙いだそうです。
まとめ
これが大阪府の事業承継への取り組みでした。
ご自身の地域の取り組みと比較したり等、ご参考にされてください。