「会社の魂を次世代に受け継ぐ事業承継」をサポートする鋒山崇(ほこやまたかし)です。

有利になった新しい事業承継税制【平成30年税制改正】

 
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魂の事業承継ナビゲーター鋒山崇
魂の事業承継ナビゲーターの鋒山です。ご自身の会社をこの先100年以上続けていきたい社長へ「会社の魂を次世代に受け継ぐ事業承継」のナビをしています。 会社をこの先100年以上続けていきたい経営者の「会社の魂を次世代に受け継ぐ事業承継」をナビゲートする専門家です。

こんにちは。
魂の事業承継ナビゲーター鋒山崇です。

今回のテーマは、
事業承継税制の話題です。

経営者にとって避けて通れないテーマですが、
できれば税理士さんに任せておきたいですよね。

今回紹介することにしたのは、
平成30年度からの改正内容が
とても事業承継に有利になったからです。

 

有利になった事業承継税制

事業の経営者から後継者へ、
やり方によっては無税で承継できるようになる
「事業承継税制」が平成30年度に大幅に拡充されました!

これから事業承継を検討されている方は
これまで主流であったやり方の
持株会社スキームや贈与はいったんストップして
期限付きの事業承継税制の活用を検討したほうがよいです!

 

【事業承継税制とは】

事業承継税制とは、
非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予の特例のことを指します。

非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予の特例は、
非上場中小企業の先代経営者が次世代経営者に株式を贈与した場合、
又は先代経営者から次世代経営者が株式を相続した場合の
贈与税又は相続税の納税を猶予する制度です。

基本的な内容としては、
事業を後継者に承継するときに、
その自社株の贈与に係る納税を猶予し、最終的には免除します
というものです。

贈与税の税額自体は計算して一度申告するのですが、
その後ずっと納税が猶予状態になり、
最後に(後継者が亡くなった時に)免除になるので、
最終的に、無税となる訳です。

つまり事業承継税制とは
「中小企業のオーナーが、次世代に会社の株式を渡し、
事業を承継(バトンタッチ)するのであれば、
その会社の株式(財産)に係る相続税や贈与税を大幅に減免しますよ」
という趣旨のものです。

この制度は、平成21年の税制改正で初めて作られたのですが、
適用を受けるための要件がとても厳しく、
これまではほとんど活用されていませんでした。

 

【現行の課題点】

平成21年度改正により創設された本制度は、
平成25年度、平成27年度、平成29年度改正において、
毎回随時、要件緩和が行われれてきました。

認定件数がゆるやかに増加傾向にあるものの、
自民党税制調査会の資料では、
平成27年分の認定件数が517件に留まっていて、
さらなる利便性の向上が望まれていました。

現行制度で、活用を難しくしている要因の一つは、
納税猶予の対象となる株式が
発行済議決権株式総数の3分の2に達するまでの部分に限られており、

また、
相続税については
課税価格の80%に対応する部分の税額しか猶予の対象とならないことから、

実質的に法人が発行する株式の53%(贈与税については66%部分)部分しか
納税猶予を受けることができないため、
100%の株式を先代経営者から譲渡していくことに活用しきれないのです。

 

【平成30年度改正の内容】

なかなか活用が難しかった現行制度から
平成30年改正では、
次のような緩和措置が導入されました。

まさに異次元緩和とも言えるような内容です。

  1. 納税猶予の対象となる株式はこれまで3分の2までだったのが、100%全部対象にできることになった
  2. 猶予される税額はこれまで80%までだった(20%分は納める必要があった)のが、100%全額猶予されるようになった
  3. これまで承継する人1人、承継を受ける人1人の1対1だったのが、承継を受ける人が3人までカバーされることになった
  4. 承継後に従業員の8割を5年間雇用しなければいけなかった(継続雇用できなければ猶予停止)のが、支援機関を通じて申請すれば猶予を継続できるようになった
  5. 承継後に廃業や事業譲渡したら猶予停止だったのが、廃業や譲渡時の時価で税額を再計算して納税すれば良いことになった

3の補足

現行制度では、
1人の経営者から1人の後継者への株式の譲渡を想定していますが、
今回の平成30年改正の緩和措置では、
複数人から株式の譲渡を受けた場合や、
複数の後継者が株式の譲渡を受けた場合も納税猶予の対象となります。

息子兄弟で承継する場合に便利になります。

4の補足

現行制度では、
社員が承継時点の80%を下回ると、納税猶予が一発取り消しされ、
その時点で猶予されていた税額を全額一括で納付することが必要でした。

社員が残ってくれるかは予測が難しいですし、(特に比較的高齢の社員が多い場合)、
新規事業を始めたら、既存社員は辞めてしまう可能性もあります。

この点で、顧問税理士さんなど提案があっても、
躊躇して使われないケースもかなり多かったようです。

5の補足

現行制度では、
後継者が会社を継がないとなった場合には
猶予時点の高い株価で納税することが必要で、
民事再生・会社更生など限られた場合だけ再計算して納税が可能でした。

今回の平成30年改正の緩和措置では、
民事再生・会社更生だけでなく、
合併による消滅・譲渡(M&A)・解散清算についても
その段階での株価で再計算して納税が可能になりました。

万が一、事業承継した後の事業が
うまく軌道に乗らなかった場合のリスクが
減少することになりました。

 

【注意すべきポイントもある】

この平成30年改正の緩和措置は30年から39年までの時限措置となっています。
今のところこの10年間だけの適用です。

しかも、35年までに特例承継計画というのを作って都道府県に事前申請が必要です。
従って意外と時間の余裕が無い、ということになります。

早め早めの準備が必要です。

そもそも後継者が決まっていないと活用できません。
後継者がいて初めて成り立つ話です。

なお後継者候補は、承継の前3年間その会社の役員である必要があります。
1の期間の問題と絡めて、こちらも早め早めの準備が必要です。

現経営者は承継により代表取締役を辞任する必要があります。
代表権のない取締役会長などの職であれば可能なので、
期限を決めて数年間は、見守ることができます。

 

【まとめ】

今回の平成30年改正の事業承継税制で、
今までできなかったスキームの事業承継が可能になりました。

もちろん、今までと同様に、
会社の事業内容や、株式の分散具合、
相続との関係など、考慮すべき点はあります。

それでも、
今までは検討対象外だった事業承継税制の活用を考えて、
これまでの持株会社スキームや贈与の手法以外の検討を
するタイミングは「今でしょ!」と思います。

もっと詳しく知りたい、ときは
中小企業庁のウェブサイトを
ご覧になってみてください。

 

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魂の事業承継ナビゲーターの鋒山です。ご自身の会社をこの先100年以上続けていきたい社長へ「会社の魂を次世代に受け継ぐ事業承継」のナビをしています。 会社をこの先100年以上続けていきたい経営者の「会社の魂を次世代に受け継ぐ事業承継」をナビゲートする専門家です。

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