愛媛県の事業承継の取り組み紹介します(都道府県シリーズ)
こんにちは。
魂の事業承継ナビゲーター鋒山崇です。
連続シリーズで都道府県それぞれの事業承継の取り組みを紹介しています。
それでは、愛媛県の取り組みです。
愛媛県の取り組み
愛媛県はどんなところ?
愛媛県は、四国地方の北西部から北中部に位置する県で
県庁所在地は松山市です。
内閣府経済社会総合研究所が2017年5月に発表した
「県内総生産」は四国では最も大きい4兆7,560億円でした。
2018年4月時点の推定人口は
135万人です。
愛媛県という名称の由来は、
古くは古事記上巻のイザナギとイザナミによる国生みの段にある、
「伊豫國謂愛比賣」(伊予国は愛比売と謂ひ)から、のちに
「愛比売」が「愛媛」へと転化したと言われています。
全国で唯一の神名をつけた県です。
愛媛県は地理的に東予・中予・南予に三分されますが、
産業においてもこれら地域によって大きく様相が異なり、
棲み分けが明確になっている点が特徴的です。
まず、東予は、四国中央市、新居浜市、西条市、今治市などを擁し、
愛媛県の2次産業の中核をなしています。
大王製紙・ユニチャーム・リンテックに代表される製紙・紙加工業と、
今治タオルの地場産業のタオル製造業は、ともに出荷額で全国1位を誇ります。
一方、県人口の4割が集中する中予は愛媛県の3次産業の中心であり、
中核をなすのが県庁所在地の松山市です。
夏目漱石の小説「坊ちゃん」の舞台であり、「道後温泉本館」など全国的知名度を有する観光資源があります。
近年は、正岡子規の出身地としても知られるようになりました。
また、南予は、宇和島市、八幡浜市などを擁し、
柑橘類栽培・養殖業などを中心に愛媛県の1次産業を支えています。
かんきつ(30年連続)、キウイフルーツ(28年連続)、裸麦(28年連続)、真珠(9年連続)、養殖真鯛(24年連続)など、長期にわたって生産量日本一の地位を占める産品が多いです。
事業承継の現状は?
帝国データバンク高松支店の
「四国地区 事業承継に関する企業の意識調査」
という、2017年11月に発表した調査結果から
愛媛県企業の結果を抜粋して紹介します。
1
件数 | (%) | |
---|---|---|
優先の経営上の問題と認識している | 20 | 18.3 |
経営上の問題のひとつと認識している | 60 | 55.0 |
経営上の問題として認識していない | 25 | 22.9 |
分からない | 4 | 3.7 |
2
件数 | (%) | |
---|---|---|
計画があり、進めている | 23 | 21.1 |
計画はあるが、まだ進めていない | 25 | 22.9 |
計画はない | 29 | 26.6 |
すでに事業承継を終えている | 21 | 19.3 |
分からない | 11 | 10.1 |
3
件数 | (%) | |
---|---|---|
現代表(社長)と後継候補者との意識の共有 | 66 | 60.6 |
早めに後継者を決定 | 37 | 33.9 |
早期・計画的な事業承継の準備 | 55 | 50.5 |
外部機関のサポート | 16 | 14.7 |
法務面や税務面など信頼できる専門家を見つけて相談 | 21 | 19.3 |
承継後の経営は後継者に任せる | 26 | 23.9 |
経営状況・課題を正しく認識 | 56 | 51.4 |
取引先や同業者など社外での業務経験 | 20 | 18.3 |
社内での業務経験 | 33 | 30.3 |
教育機関などでの勉強 | 4 | 3.7 |
今後の経営ビジョンを持つこと | 31 | 28.4 |
先代と現代表(社長)で密接なコミュニケーションを図る | 26 | 23.9 |
事業承継の目的の明確化 | 24 | 22.0 |
事業の将来性、魅力の維持 | 34 | 31.2 |
他の役員・従業員・株主の協力 | 29 | 26.6 |
取引先や金融機関の理解・協力 | 31 | 28.4 |
その他 | 1 | 0.9 |
特にない | 1 | 0.9 |
調査結果から見ると、
経営課題だと認識はしていない割合が高く、
全国でもトップクラスなのは、
すでに事業承継を終えていたり、必要ないと考えれている企業が多いからのようです。
また、円滑な事業承継を行うには、
早期・計画的な事業承継の準備、経営状況・課題を正しく認識が重要、
と回答する企業が全国平均と比べても多く半数を超えていました。
愛媛県事業承継ネットワーク
愛媛県の事業承継ネットワークでは、
公益財団法人えひめ産業振興財団を事務局として、
地域の商工会議所・商工会の協力を得て、事業承継診断を実施し、
事業承継に関する現状把握・分析を行い、事業承継に関する課題解決への支援します。
愛媛県の事業引継ぎ支援センターは
松山商工会議所に設置されていて、
中国・四国地域では最も早く、2013年7月からあります。
具体的な取り組み
2017年4月に全国初の取り組みとして、
中小企業庁、四国経済産業局、独立行政法人中小企業基盤整備機構 四国本部、
独立行政法人日本貿易振興機構愛媛貿易情報センター及び愛媛県が、
愛媛県内中小企業者等の振興に向けて、
海外展開や事業承継、人材確保、創業等の支援に係る施策を相互に連携する協定を締結しました。
中小企業庁と地方自治体が海外展開及び事業承継を中心とする
中小企業支援に関する連携協定を締結する事例としては、全国初です。
また、事業承継ファンドによる支援も盛んにおこなわれています。
伊予銀行は、傘下の いよぎんキャピタルを通して、2014年から
10億円規模のいよエバーグリーン事業承継応援ファンドを組成しています。
伊予銀行と日本政策投資銀行の協働による伊予成長支援ファンドもあります。
2016年にこちらも10億円規模で組成しています。
2018年には、四国の地銀4行、
阿波銀行、百十四銀行、伊予銀行、四国銀行で
40億円規模の「しこく創生ファンド」を組成しました。
まとめ
これが愛知県の事業承継への取り組みでした。
ご自身の地域の取り組みと比較したり等、ご参考にされてください。