広島県の事業承継の取り組み紹介します(都道府県シリーズ)
こんにちは。
魂の事業承継ナビゲーター鋒山崇です。
今回は、連続シリーズで
都道府県それぞれの事業承継の取り組みを紹介します。
それでは、広島県の取り組みです。
広島県の取り組み
広島県はどんなところ?
は、日本の中国地方に位置する瀬戸内海に面する都道府県で、
県庁所在地は広島市です。
内閣府経済社会総合研究所が2017年5月に発表した
「県内総生産」は11兆2,300億円でした。
2018年4月時点の推定人口は
281万人です。
広島の由来は、
『広島』の名の由来は天正17年(1589年)に
毛利輝元が広島城築城の鍬入れの時に命名したといわれています。
毛利氏の祖先である大江広元の「広」と、
この地の豪族であり普請奉行であった福島元長の「島」を合わせたもの
という説が有力とされています。
また他に、広くデルタの島のため「広い島」からきたという説もあります。
広島県は、愛知県に並んで鉄鋼業が盛んです。
鉄鋼はかつては「産業のコメ」とよばれ、現在でも工業において欠かせない資源です。
鉄の生産が多い地域=工業がさかんな地域、といっても過言ではありません。
広島県の近代鉄鋼業は明治28年(1895年)に
旧呉海軍工廠に坩堝炉及び平炉が建設されたことに始まり、
戦後はこの工廠の民間転用が契機となって、相次いで企業が立地しました。
呉海軍工廠では、戦艦「大和」を建造されていたことで有名です。
広島県の県内鉄鋼業は,2004年のデータでは
事業所数150所、従業員数11,764人、出荷額は10,608億円と県全体の出荷額の14.3%を占めていました。
出荷額の多くは、JFEスチール 西日本製鉄所(福山市)や日新製鋼 呉製鉄所(呉市)に集中しています。
事業承継の現状は?
帝国データバンク広島支店の
「中国地方 事業承継に関する企業の意識調査」
という、2017年11月に発表した調査結果から
広島県企業の回答を抜粋して紹介します。
1
件数 | (%) | |
---|---|---|
優先の経営上の問題と認識している | 38 | 15.8 |
経営上の問題のひとつと認識している | 138 | 57.3 |
経営上の問題として認識していない | 46 | 19.1 |
分からない | 19 | 7.9 |
2
件数 | (%) | |
---|---|---|
計画があり、進めている | 64 | 26.6 |
計画はあるが、まだ進めていない | 51 | 21.2 |
計画はない | 59 | 24.5 |
すでに事業承継を終えている | 39 | 16.2 |
分からない | 28 | 11.6 |
3
件数 | (%) | |
---|---|---|
現代表(社長)と後継候補者との意識の共有 | 156 | 64.7 |
早めに後継者を決定 | 107 | 44.4 |
早期・計画的な事業承継の準備 | 110 | 45.6 |
外部機関のサポート | 30 | 12.4 |
法務面や税務面など信頼できる専門家を見つけて相談 | 42 | 17.4 |
承継後の経営は後継者に任せる | 69 | 28.6 |
経営状況・課題を正しく認識 | 112 | 46.5 |
取引先や同業者など社外での業務経験 | 52 | 21.6 |
社内での業務経験 | 76 | 31.5 |
教育機関などでの勉強 | 25 | 10.4 |
今後の経営ビジョンを持つこと | 92 | 38.2 |
先代と現代表(社長)で密接なコミュニケーションを図る | 69 | 28.6 |
事業承継の目的の明確化 | 57 | 23.7 |
事業の将来性、魅力の維持 | 88 | 36.5 |
他の役員・従業員・株主の協力 | 81 | 33.6 |
取引先や金融機関の理解・協力 | 72 | 29.9 |
その他 | 3 | 1.2 |
特にない | 4 | 1.7 |
調査結果を見ると、
事業承継の計画があり進めている企業数が
最も多いのは全国でも珍しい傾向です。
事業承継は5年~10年かかるのが通常ですので、
かなり先を見据えた経営計画が必要になってきます。
広島県県事業承継ネットワーク
広島県では、広島商工会議所が事務局となって
「広島県事業承継ネットワーク」を構築しました。
2017年7月から2018年1月の間に
3回のネットワーク会議を開催し、82団体が参画しています。
事業承継ネットワーク事業による包括的な情報共有・提供を活性化させることが、
地域の中小企業の事業承継に対する意識改革を促し、
事業承継への早期対策を図る等、貴重な経営資源を循環させることのできる環境を醸成する、
と2018年3月の中小企業庁の報告書で述べられています。
また、「広島県事業承継ネットワーク」の構成機関でもあり、
実際の事業承継の相談窓口となる、
「広島県事業引継ぎ支援センター」でも
後継者不在などの事業承継の悩みを相談に対応します。
具体的な取り組み
広島県での取り組みとして、
中国地方で初めてとなる”事業承継事案に対象を特化した”ファンド、
「せとうち事業承継ファンド「結(むすぶ)」」が2014年9月に設立しました。
広島銀行(3.5億円)、日本政策投資銀行(3.5億円)、西京銀行(1.5億円)、トマト銀行(1.5億円)が出資して、
合計10億円のファンド組成となりました。
2015年1月には第一号の投資案件が決定し、
堀田建設の事業承継にあたり、創業家より株式の取得を行いました。
また、2017年10月には、
山口フィナンシャルグループ傘下のもみじ銀行、山口銀行、北九州銀行の3行と、
株式会社ドーガンや地元企業との共同出資により23億円規模の
「九州せとうちポテンシャルバリューファンド」が設立しました。
九州・瀬戸内地域を中心に山口県・広島県・九州各県の
中堅中小企業に対する事業承継・事業再生を支援することを目的としていて、
日経新聞にも取り上げられました。
まとめ
これが広島県の事業承継への取り組みでした。
ご自身の地域の取り組みと比較したり等、ご参考にされてください。